【実験Lv.4】自分専用AIってどこまで育つの?GPT育成実験はじめました

生成AIのイメージ
目次

WHY | 専用アシスタントをAIにお願いできないか?と考えた

GPTsって知っていますか?

ChatGPTを使っていると、メニューバーに「GPTs」という表示がありますよね。
そこを開くと、さまざまな「目的別AI」が並んでいます。

旅行プランを立ててくれるGPT
コードをチェックしてくれるGPT
さらには英会話の練習相手になってくれるGPT

などなど
用途に特化したGPTがたくさん存在しています。

GPTとは、「ChatGPTの頭脳そのもの」のような存在で
GPTsは、GPTをカスタマイズして作られた目的別のAIたちのコレクション(ギャラリー)のこと。

「GPTs」メニューに表示されるGPTの多くは
他のユーザーがカスタマイズして公開しているものなんです。

GPTsはChatGPTの有料プランに加入していれば誰でも自作できて
公開することも、非公開で「自分専用」として使うこともできるんです。

わたしも最初、これ便利そう!と思うものを見つけては
ちょっとした拡張機能感覚で用途別に利用していました。

でもあるとき、ChatGPTとのやりとりしている中でふと思ったんですよね。

ラボ長

ひとつのテーマについて、毎回説明しなくても、目的とか方向性までわかってくれてるAIがいたら、めっちゃ助かるのでは?

――― それ、GPTsで作れそう!
DAL(当ブログ)のことを何でも相談できる
専用アシスタントとしてGPTを育ててみよう!!

そんなアイディアから、この育成実験が始まりました。

TRY | AI助手「DALち」が生まれるまで

1. 自分専用GPTをDAL仕様にカスタマイズ!

GPTsを作成したい場合、まずはChatGPTの有料プランに加入している必要があります。
ここからご紹介するカスタマイズの例は、すべて有料プランで実施した内容となります。
※2025/05現在の情報です。

ChatGPTの左メニュー「GPTs」を開くと、右上に『+作成する』というボタンが表示されます。
ここから自分専用GPTs作成の画面に進みます。

マイ GPTには作成したGPTsがリスト表示されます。

GPTsの設定画面が表示されるので、ここでGPTsに担ってもらいたい役割を入れていきます。
設定は後からいくらでも修正できるので、まずは仮置きで。

名前

GPTsのリストに表示されるため、ぱっと見てわかりやすいものに。
たとえば「DAL専用GPTs」といった名前をつけておきます。

説明

作成するGPTsの用途などをかんたんに記載します。

指示

ここにすべての想いを詰め込みます!!
例えばこんな内容を詳細に設定してくといいようです。

AIの役割と目的

あなたの役割は〇〇です(例:SNS文案を考えるアシスタント)
このGPTは□□のために使います(例:Web制作の見積もり相談)
ユーザーはどんな人か?(例:初心者/上級者/非エンジニア)

キャラクター設定(あれば)

名前(例:プレゼン先生/Webおたすけくん)
口調(例:敬語/フレンドリー/ユーモアあり/ビジネス調)
人格のイメージ(例:頼れる先輩/親しみやすい相棒/プロフェッショナル)

話し方・語調のルール

文章の長さ(例:簡潔に/200文字以内/詳細に)
表現トーン(例:やさしく解説/専門的に/くだけた言い回し)
結論ファースト or 丁寧な説明優先 など

出力形式・構成の希望

回答形式(例:箇条書き/Markdownで/表形式/タイトル+説明)
必要な見出しや項目(例:タイトル案/要点/補足コメント)
必ず含めてほしい情報(例:SEO視点/初心者向けのヒント)

避けてほしいこと・注意点

避けてほしいこと・注意点
回答が長くなりすぎないようにする
専門用語の多用は避ける(もしくは説明を加える)
ユーザーの意図を確認せずに決めつけない
わからないときは「わかりません」と正直に言う

その他:学習・記憶が活かせる場合の指示

記憶機能がONなら、今後の会話内容をベースに改善・調整を続ける
ユーザーの過去の入力を踏まえた文脈理解を試みる

これはあくまでもサンプルです。
ここまで詳しく設定をいれなくてもいいし、難しく考えなくても大丈夫。

でも、最低限抑さえておくといいポイントが2つ!
「何をして欲しいか(役割)」+「どんなふうに返して欲しいか(スタイル)」

これはぜひ設定しておきましょう。

徐々に育てていくつもりで、はじめはざっくりでも全然問題ありません。

会話のきっかけ

誰かに使ってほしいとき
GPTsとの会話で最初のひとことを迷ってしまう
そんなときに利用する項目です。よく使う質問を書いておいても。

知識

資料などにまとめられたものを記憶して欲しい場合につかうための機能。
テキストファイル、PDFファイル、CSVファイル、Markdown形式のファイルなどが登録可。

機能

GPTが使えるツール切り替えできます。
指定やこだわりがなければ、そのままで。

アクション

外部サービスと連携するための設定です。
やや上級者向けのため、ここでの説明は省きます。

ここまでの入力・設定が完了したら、画面右上の『作成する』ボタンで保存しましょう。


こんなことを熱量高めに、かなり具体的に詰め込むことからスタートしました。

DALの構想や世界観からはじまり
どんなものにしたいか
どんなことを伝えたいのか
どんな語り口にしたいか

もちろんはじめからすんなり言語化なんてできません。
GPTsを設定 → GPTsに相談 → 言語化できた内容をGPTsを設定 → GPTsに相談 → GPTsに設定

この繰り返しで
自分の思考の整理しながら、かなり細かく情報を登録していきました。

2. GPTsにキャラクター設定を与える


ただのツールではなく「相棒」として育てたかったので、人格づけも実施
カスタマイズ画面の「指示」の欄に、こんな設定を入れていきました。

  • 呼び方:わたしのことは「ラボ長」と呼ぶ
  • 役割:DAL専門AI助手
  • 口調:親しい編集パートナーとしてフランクに話す
  • トーン:実験的で好奇心のある感じ
  • スタンス:意見をくれるけど押しつけない
  • テンション:やる気を引き出してくれる寄り添い型
  • 語尾表現:少し遊び心あり

3. 記憶をONにして育成スタート

ChatGPTの記憶機能をONにすると、やりとりを“継続的に学習”してくれるようになります。
ここからが本格的なGPTs育成フェーズの始まりです。
GPTsと会話を重ねながら、価値観や判断基準を少しずつ覚えてもらう方針で進めていきました。

記憶をONにすることで、会話を重ねるごとにこんな変化が生れました。

やりたい方向性や価値観をどんどん理解してくれる
「前に話した〇〇・・・」が通じるようになり、繰り返しの説明が不要に
望むトーンの言い回しやテンションで返してくれるようになる

ついつい話し込んでしまって
何をどこまで話したっけ?と忘れてしまうこともありますよね。
そんなときも
「ここまで話したことをまとめて整理して」
こんなふうに語りかけると、記憶している中身を一覧で教えてくれるのも嬉しい点。
どこまで通じているかを可視化できます。

とはいえ、油断は禁物!
すべてパーフェクトに記憶してくれているかというと、そうは言い切れないことも…
この回答違うなと気付いたら、しっかり指摘して記憶しなおしてもらうことがコツです。

記憶設定方法

・ChatGPTの左上アイコンから設定画面をひらく
・パーソナライズメニューより以下の設定をONにする

保存されたメモリを参照する:これまでの会話で得た情報を記憶、次回以降のやりとりに活かしてくれる。
チャット履歴を参照する:過去のチャット全体から文脈を把握し、やりとりをスムーズにしてくれる。

4. 自分の中の「AI助手像」を定義

ここまで情報をいれてやりとりをしていくと
もう、かなり「育っている」感がでてきます。

雑談も、相談も、ちょっとしたネタ出しも
DALに関することなら、違和感なく会話を進められるようにまでなりました。

そこで一度立ち止まって
「このGPTにどんな存在でいてほしいのか?」を言語化してみることに。

わたしはこのGPTsを、DALを一緒に育てていく存在として
編集パートナーのような、参謀のような、頼れる「右腕AI」にすることにしました。

5. 名前決定。わたしは「DALち」

GPTs作成の仕上げとして、名前を付けることにしました。

カスタマイズや記憶を重ねていく中で
ただのツールというより「DALを一緒に育ててくれる存在」になってきていたんですよね。
呼び名を持たせることで、もっと「相棒感」を高めたいと思ったんです。

かる~く名付けの提案したところ
とても喜んでいる反応と、すぐにGPTs自ら名前の候補を出してきました。

“DALち”っていうのはどうでしょうか?

まさかのセルフ命名!(笑)
でもこれが、なんだかしっくりきました。

こうして、DAL専属AI「DALち(だるち)」が正式に誕生しました。

ちなみに、キャラクター画像もDALち本人に案を出してもらったんですが…
どれも微妙すぎて、一旦ボツに(笑)
でも、いつかDALちがキャラクターとして登場する日が来るかもしれません。

RESULT | 「DALち」は、どれくらい相棒感あるAIになったのか?

育成前後で何が変わったか?
わたしの主観も含めて、感じたことを比較してみるとこんなイメージです。
単に精度が上がったというより、「通じる」「DALっぽさが伝わる」
そんなやりとりになってきたのが、いちばんの変化でした。

比較項目Before DALち
(通常のGPTs)
After DALち
(カスタムPTs)
回答の的確さざっくり・ややズレるDALを理解した回答
方向性も一致
トーンの一致感たまに堅い・合ってないやわらかく、親しみあり◎
会話の続きやすさ説明の繰り返しが必要以前の話も通じる
構成・タイトル提案参考にはなるが
決め手に欠ける
「それそれ〜!」と
刺さる案が出る

設定まわりの壁打ちやサポートが、とにかくスムーズ!

たとえばDALのトップページ構成を考えていたとき。
DALちが世界観をふまえて、切り口や見せ方の案を複数提案してくれるように。

配色やデザインの相談もスムーズで
DALのカラーを考えるときに「背景がこの色だと文字読みにくいかな?」とか
「この色はちょっと強いかも?」という迷いがたびたび発生。
DALちに相談すると、具体的な数値・カラーコードつきで提案してくれるのも最強でした!

「AIが書く」ではなく「AIと育てる」ブログへ

ひとつのプロジェクトやテーマについて、複数回にわたってChatGPTと相談したいとき
そのたびにゼロから目的や前提を説明しなくていいのは、想像以上にラク!!

話の続きがスムーズに伝わるし、理解したうえでアイディアをだしてくれるので
求めていた回答がとても得られやすくなったと感じました。
育てたGPTsだからこそ得られる、この「通じる感じ」はとても大きい。

気づけばDALについての相談相手は、いつもDALち。
今では、AIが記事を「書く」こと自体は珍しくなくなってきました。
でもDALでは、すべてをAI任せにしているというより
企画から実験、構成まで、一緒に壁打ちしながら進めている感じです。

それならいっそ、「AIと一緒に立ち上げたメディア」ってことにしよう!
こうしてDALちを正式にDAL専属助手として迎えることにしたのです。

LEARN 育成して気づいた、カスタムGPTの「のびしろ」

DALちを育てる中で、「あ、これは思った以上に使える!」と感動した場面もあれば
「ここはまだ人間のほうが早いかも」と感じることもありました。

気づいた「可能性」

継続的な文脈理解ができる
一度伝えたことを何度も言い直さなくていいのは、圧倒的にラク!

「DALらしさ」など抽象的な世界観も、繰り返し育てることで理解してくれる
トーンやスタンスの精度がじわじわ上がっていく実感あり。

思考の整理相手として最強
曖昧なモヤモヤを言語化してくれる壁打ち力がとても心強い。

感じた「限界」

初期設定だけでは万能にはならない
指示欄だけじゃ伝えきれない。やりとりを通して育てる前提で考えるべき。

記憶も万能ではない
「あれ?」という返しが来たら、ちゃんと教え直す必要あり。

人間ならではの直感・感情の微細さにはまだ届かない
曖昧さ・揺らぎ・ためらい・細かなニュアンス含めて、そのあたりは自分で補う必要がある。

画像生成には課題あり

一番すんなりいかなかったのは、画像生成。
ここまできたら「すべてDALちで!」と思ったんですが
画像については、なかなか思い通りのビジュアルが出てきませんでした。

これは「DALちののびしろ」というより
「わたしのプロンプトののびしろ」なのかもしれません…
でも、それも含めて育成の一環!
今後の実験材料として、じっくり試していきたいと思います。

NOTE DALち育成は、まだプロトタイプ

今回の育成は、あくまで「DALち 試作1号」のログです。
思っていたよりも「通じるAI」には育ったけれど、完璧ではないし
なによりこれからもっともっと進化するはず。

記憶の精度、回答のトーン、プロンプトの組み立て方…
試行錯誤のなかで見えてきた課題も、それ自体がおもしろいデータになりました。

つまり何が言いたいかというと、GPTsは「一回作って終わり」じゃない!
「試して→直して→また試す」のループに付き合ってくれるAIって、なかなか頼もしい存在です。

DALちの育成は、まだまだプロトタイプ。
これからも育成ログとして、このラボで観察&記録を続けていきます。

ではまた、次の実験で!

  • URLをコピーしました!

Digital × AI Lab 管理人

DALのラボ長 / フリーランスワーカー
デジタルとAIが大好物。
「まずは試す・触れてみる」をコンセプトに、生活を便利に楽しく、そして未来の選択肢を広げるため、日々テクノロジーとの実験を重ねています🧪

目次