この記事はこんな人におすすめ
✔ ChatGPTを使っていて、「あれ?これウソっぽい…」と感じたことがある人
✔ 生成AIの仕組みや“クセ”を、ざっくりでも理解しておきたい人
✔ AIをうまく使いこなしたいと思っている人
『ハルシネーション』という言葉を知っていますか?
本来は「幻覚」を意味するこの言葉。
最近では、生成AIが「もっともらしく間違ったこと」を言う現象として使われることが増えてきました。
たとえば、ChatGPTに質問したら、実在しない人物や論文をスラスラ答えてくる。
AIって膨大な知識を持っていて、いつも正しいことを言う存在── そう思っていたのに
「あれ?これウソでは…?」と気づいたり、驚いたりした経験、ありませんか?
それ、もしかするとAIが「幻覚を見ている」状態なのかもしれません。
この記事では、ハルシネーションとは何か?なぜ起きるのか?どんなふうに付き合えばいいのか?
わかりやすく解説します。
ハルシネーションとは何か?
「ハルシネーション(hallucination)」は、もともとは人間の「幻覚」を指す言葉です。
ところが最近では、 生成AIが実在しない情報をあたかも本当のように話す現象
そんな意味合いとして使われることが増えています。
たとえばChatGPTに「〇〇という本について教えて」と聞いたら
存在しない本のタイトルと要約をスラスラ話し出す…
やけにもっともらしくて、つい信じてしまいそうになる…
これがまさに「AIのハルシネーション」と呼ばれる現象なんです。
『ウソをついている』というより、『もっともらしい勘違いをしている』ような状態です。
人間でいえば、「うろ覚えでそれっぽく答えちゃった」ようなもの。
つまりAIにとってのハルシネーションは
バグではなく、それっぽく答えるように作られている
というのがその理由なんです。
なぜハルシネーションが起きるのか?
そもそも、「それっぽく答えるように作られている」のでしょう?
まずChatGPTなどの生成AIは『次にくる言葉を予測するしくみ』で動いてます。
これは、『大規模言語モデル(LLM)』と呼ばれるAIの基本的な性能。
AIは文章全体の意味を理解しているわけではなく
「この言葉のあとに来そうな単語は何か?」を、大量のデータから予測しているだけなんです。
たとえば人間の会話を考えると、「おはようございます。今日の天気は…」とくれば
「晴れです」「雨が降りそうです」といった言葉が自然に続きますよね。
AIも同じように、それっぽい言葉のつながりをもとに文章を組み立てています。
適切な質問を投げれば、高い確度で正しい情報を返してくれますが、
質問自体があいまいだったり、漠然としていると
「文として自然=正しい」と勘違いしちゃう構造なんです。
「それっぽく続けること」が目的だから、事実かどうかは確認していない。
つまり、「それっぽいけどウソ」の回答が生まれてしまうことがあるんです。
これがハルシネーションの正体。
ちなみにこのハルシネーション、日本語以外の言語についても
「意味を理解せずパターンで答える」AIの特性は、どの言語も共通のようです。
ただし、使うAIのモデルやサービスによって学習データの量や性能には差があるため、
使うAIによって『幻覚』のクセもちょっとずつ違う、というわけですね。
どう付き合えばいいのか?
ハルシネーションは「AIのクセのようなもの」と、ご理解いただけましたか?
現時点ではハルシネーションを完全になくすことは難しいけど、
ちょっとした意識と工夫で、AIの精度は大きく変わります。
たとえば、質問の仕方を具体的にしてみる。
「おすすめの本を教えて」ではなく、
「2020年に出版された〇〇のベストセラーを教えて」のように
情報を追加して質問をしてみる。
そしてもうひとつのポイントは
事実確認が必要な内容は「そのまま信じない」こと。
身もふたもないようですが、これが生成AIを利用する上で一番大切かもしれません。
たとえば歴史上の出来事や統計データ、人物の経歴などを聞いたときなどは、
AIの回答だけで完結せずに、必ず確認をしましょう。
特に大事な内容(医療・法律・お金など)については、自分でも検索して確かめる習慣を。
AIが出してきた情報は『正解』ではなく、『参考情報』として扱いましょう。
「答えを求める使い方=情報検索・調査系」とは少し異なる、
アイディアだしや壁打ちのような使い方では、明確な回答間違えというより、
回答への違和感といった印象を受けるかもしれません。
「言ってることはそれっぽいけど、なんかズレてるな」と感じたら、
前提や目的をもう一度伝えてみたり、違和感がある箇所とその理由を伝えることで
方向修正できる可能性が高くなりますよ。
AIは、ちょっと先を歩くナビゲーターのようなもの。
上手に使えば、毎日の選択やひらめきをしっかり支えてくれます。
まとめ
ハルシネーションとは、AIが「もっともらしく間違ったこと」を言う現象
実在しない情報を本当のように語ることがある
原因は「次に来る言葉を予測する」AIの仕組みにある
意味や正しさではなく、言葉のつながり(自然さ)を優先している
質問があいまいだと、誤情報が混ざりやすくなる
とくに調査・検索系では「それっぽいけどウソ」が起きやすい
完全には防げないが、精度は工夫次第で上げられる
・質問を具体的にする
・情報は必ず確認する
・重要なテーマ(医療・お金など)は鵜呑みにしない
壁打ちやアイデア出しの場合は「違和感」に注意
ズレを感じたら、目的や条件を再提示して方向修正しよう
AIはナビゲーター!最終判断は自分で
うまく付き合えば、毎日の選択やひらめきをサポートしてくれる存在に!
まだまだ発展途中のAIたち。
私たちの問いかけ次第で、もっと賢く、もっと頼れる存在になっていくのかもしれませんね!